コナミがつくるゲームは面白かった

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さくまあきら氏とコナミのトラブル

桃鉄シリーズの生みの親として知られるゲームクリエイターさくまあきら氏と、ゲームメーカー・コナミが揉めている。
コナミの不誠実な対応に怒り心頭のさくま氏は、ツイッター桃鉄終了宣言をしたものの、コナミ側は公式サイトでそれを否定するという食い違いが起こっており、シリーズ存続についての結論が出ているのか出ていないのかはっきりしていない状況となっている。もっとも、さくま氏の中では結論が出ているようだが。

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コナミの功績と個人的な思い出

ファミコン世代真っただ中の僕は、よくコナミの作品を遊んでいた。ツインビーグラディウス悪魔城ドラキュラグーニーズ火の鳥ラグランジュポイント……ファミコン世代なら必ず遊んだことがあるだろう数々の名作がコナミによって生み出され、僕たちを楽しませてくれた。
スーパーファミコンになってからも、がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻、パロディウス実況パワフルプロ野球などのシリーズを遊び、PlayStationPlayStation2といった次世代機の時代になってからも、コナミの作品はいつも僕のゲームライフの中心にあった。山根ミチルや山下絹代らが生み出すハイクオリティなゲームサウンドも好きだった。

恋愛シミュレーションというジャンルを確立させ、その後のゲーム業界に大きな影響を与えた『ときめきメモリアル』も、実はコナミが送り出した作品だった。この作品のリリースで、悪魔城ドラキュラグラディウスといった骨太な作品に代表される硬派なイメージだったコナミの印象はガラリと変わった。これにより、コナミは新たなファン層と利益の獲得に成功するのだけれど、僕はこの『ときめきメモリアル』の成功が、良くも悪くもコナミの最初のターニングポイントだったのではないかと思っている。

もうひとつのイノベーションは『実況パワフルプロ野球』だ。コナミは一時期「実況」をゲームのアクセントとして利用していて、シューティングゲームの『パロディウス』に実況をつけてみたりと、ユーザーに新しい面白さを提供する試みを行っていた。その筆頭が『実況パワフルプロ野球』だった。
スポーツゲームと実況の相性の良さは言わずもがな。ゲームシステムも工夫されており、投手と打者が対決するシーンでは、従来の野球ゲームとは異なり、キャッチャーからピッチャーマウンドを見るような視点での操作となっており、投手と打者の駆け引きや、球種や球速の変化などをリアルに楽しめるようになった。自分だけのオリジナル選手をつくることができる「サクセスモード」も人気を集めた。これにより、野球ゲームといえば『ファミスタ』という価値観を大きく覆し、一気にシェアを獲得。ファミスタに代わる「野球ゲーム一強」の地位を獲得した。

個人的な思い出としては、悪魔城ドラキュラシリーズは、時間を忘れて没頭するくらいハマりこんだものだ。今でもたまに、Wiiバーチャルコンソールを立ち上げて、初代悪魔城ドラキュラをプレイしていたりする。
シリーズの中で一番ハマったのは、PlayStationで発売された『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』だ。何度クリアしても飽き足らず、繰り返し遊んだし、隠し要素もドロップアイテムもすべてコンプリートした。飽きっぽい性格の僕が骨までしゃぶりつくすくらいの勢いで遊んだ、最も思い出に残っている作品のひとつだ。同じコンセプトで発売された『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』もよく遊んだ。アクション型から探索型へと移行していったこのシリーズだが、どの作品にも特別な思い入れがある。

悪魔城ドラキュラシリーズは、海外でのリリースが好調のようだが、特設サイトは一年近く更新がない。もう一つの看板シリーズだったはずの『がんばれゴエモン』に至っては、2008年から更新が途絶えている。エース級の知名度を持つこれらシリーズが、哀れ残骸と化しているのだ。potatostudio.hatenablog.com

これではまるでゲームの墓場である。
コナミはもはやゲームの墓場と化した。 - Yukibou's Hideout on Hatena

まさにこの言葉のとおりだ。
ハドソンを完全子会社として買収したことで、ハドソンの作品もコナミの傘下となったが、今回の桃鉄と同様、ボンバーマン迷宮組曲天外魔境といった数々のゲーム資産が、同じゲームの墓場で横たえることになるのだろうか。悲しい。

ボンバーマン』は単純かつスリリングで、普遍的な楽しみ方ができる作品でもあるので、ソーシャルゲームでも通用しそうな気がするのだけれど。
天外魔境』については、いろんなハードでリメイクされ続けた結果、結局オリジナルが一番クオリティが高かったという妙な結論となってしまっているのがお粗末。天外については、容易にリメイクを出すのではなく、もう少し大事に扱ってほしかった。最終シリーズが糞ゲーで終わってしまったのも残念。今思えば、バブル期で制作予算が潤沢な時代だからこそできた大作だったのかもしれない。

ゲームセンターCX再放送における著作権の壁

コナミ関係で、もうひとつ悲しい出来事として個人的に挙げたいのは、『ゲームセンターCX』でコナミハドソンのソフトの挑戦が再放送されないことだ。

現在、フジテレビONEでは『ゲームセンターCX アーカイブス』と題し、第2シーズンの『アトランティスの謎』の挑戦を第1回として、順次放送している。

otn.fujitv.co.jp

当時の挑戦の順番どおりに再放送するならば、

  1. アトランティスの謎(サンソフト
  2. チャレンジャー(ハドソン
  3. 魔界村カプコン
  4. コナミワイワイワールドコナミ
  5. メトロイド任天堂

という順番になるはずなのだが、アーカイブスを含む再放送では、

  1. アトランティスの謎(サンソフト
  2. 魔界村カプコン
  3. メトロイド任天堂

という順番になっている。
つまり、コナミハドソンの作品については、著作権の関係で再放送が許されないのだ。

コナミハドソンは、先に述べたとおりファミコンPCエンジンの黄金期に数多くの作品をリリースしている。ゲームセンターCXでも、有野課長コナミハドソンの作品に挑戦する機会が多く、特に『コナミワイワイワールド』『カトちゃんケンちゃん』『ときめきメモリアル』『火の鳥』『迷宮組曲』は、挑戦回として面白い内容となっている。
中でも、『高橋名人の冒険島』は屈指の難関回として人気が高いだけに、再放送で見ることができないのは非常に残念でならない*1。これでは、当時サポートADだった浦川ディレクターの努力が浮かばれないので、ぜひ冒険島回を収録したDVDを買って応援してあげてほしい。

ゲームセンターCX DVD-BOX 2

ゲームセンターCX DVD-BOX 2

なお、『コナミワイワイワールド』の回では小島秀夫へのインタビューも行っているので、資料的な価値も高かった。

老舗ゲームメーカーとしての今後の展望

結局、コナミはゲーム事業に対してどういう展望を描いているのだろうか。2015年5月、コナミの現社長は日経トレンディのインタビューの中で、「過去築き上げてきた高い知名度を持つゲーム資産を、積極的にモバイル展開していく」と語っているけれど、遠い過去からの歩みと、長い年月をかけて築き上げてきたファンやユーザーからの信頼を、ゲーム内課金を狙った収益確保の手段としてしか捉えていないのであれば、高い知名度を築き上げたゲームを生み出してきた老舗ゲームメーカーのあり方として、とても悲しいことだと思う。

trendy.nikkeibp.co.jp

*1:DVDに収録されている作品もあるので、コナミハドソンの作品が完全に視聴不可能というわけではない。

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