暴れん坊将軍の第1シリーズがスタート@時代劇専門チャンネル

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昨日から、時代劇専門チャンネルで『暴れん坊将軍』シリーズの第1シリーズ『吉宗評判記 暴れん坊将軍』の再放送がスタートした。今回からはハイビジョン放送での登場であり、今後全作品を放送するそうである。

第1シリーズの第1話は設定固めの内容。紀州の野を駆け回っていた「紀州の暴れん坊」吉宗が、じいの説得で将軍になることを渋々引き受ける場面も盛り込まれている。このころの松平健は、セリフを喋るにも力みまくりで笑顔も硬いが、さわやかな好青年であり好感が持てる。まさに、時代劇の若き主役にふさわしい。覆面等を被って、悪人がそろっているところへ斬りこんでいくという型破りな殺陣シーンも見ものだが、一方でパターンを模索している感もある。殺陣自体も刀が大振りで、後年に見せる手首で返すような華麗な太刀捌きはまだ見られない。なお、御庭番等と話すときには、町中にも関わらず一人称は「余」であり「俺」ではない。

吉宗の政策にまつわるエピソードも盛り込まれていて、その政策に関わった歴史上の人物も、もちろん登場している。レギュラーである大岡忠相については、すぐ南町奉行に着任というわけではなく、第一話の悪人が現職の南町奉行*1であり、吉宗が悪事を暴いて断罪した後に着任…という運び。他に、小石川養生所の設立に関わった小川笙船は2話で天知茂が演じ*2、サツマイモの普及に尽力した青木昆陽は、序盤のエピソードで左右田一平が演じている。

北島三郎の辰五郎は、吉宗が部屋住みだったころの喧嘩仲間という設定で、その吉宗が将軍になったことを知り大喜び。ちなみに、この頃はまだ鳶の頭である。江戸の消防制度の改革と町火消しの創設は、吉宗(と大岡忠相)による享保の改革のひとつだが、そのエピソードは3話にて語られる。一方、辰五郎の妻・おさいと、辰五郎の妹・おまちは、新さんにはあまり好意的ではなく、おさいに至っては「だからお侍は嫌いなんだよ」とはっきり言及する始末。辰五郎も、吉宗と二人きりのときは「上様、上様」と連発で「新さん」とは気軽に呼べない模様。ただ、おまちは2話の時点で新さんに好意を抱くのだけれども。

吉宗が町中へ出るときには理由付けがあり、後のシリーズのように、江戸の町に当然のように出てこない。また、悪人を成敗する場面も、わざわざ悪人を城中に呼びつけ、御簾を上げて将軍自ら「表の立場」で断罪するという手段が取られており、大立ち回りをして御庭番に「成敗」のパターンは、もう少し後になる。

第1シリーズは久しぶりに見たけれど、製作側は「“将軍”と“正義感に燃える暴れん坊の若侍”と“松平健”」をどう活かそうかと模索しているといった感じで、「余の顔を見忘れたか」「成敗」の黄金パターンとはかなりかけ離れた内容になっている。それは、まるで別の時代劇を見ているかのようだが、それはそれで新鮮でありおもしろい。

この『暴れん坊将軍』シリーズは、松平健が時代劇俳優としてキャリアを積んでいく足跡にもなっている。回を追うごとに、前述の硬さも抜けてくるし、画面から松平健の成長を感じることができるのも、このシリーズの味わいのひとつである。『水戸黄門』等と並び称される国民的時代劇『暴れん坊将軍』だが、この機会に作品の魅力を再認識していこうと思う。

*1:演じるは金田龍之介

*2:悪党を強請った金で貧乏人の治療を無償で行う人物として描かれている。

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