2013.10.9 ファザーリング・ジャパンから学ぶイクメン講座のつくりかた

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2013.10.9 三重県総合文化センターで開催された「ファザーリング・ジャパンから学ぶイクメン講座のつくりかた」に参加してきました。

講師は、徳倉康之さん(NPO法人ファザーリング・ジャパン事務局長)。企業で営業等のお仕事を経た後、昨年5月にファザーリング・ジャパンの事務局長に就任されました。お二人のお子さんを持つ「イクメン」でもあります。

新しいパパの教科書

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この講座の目的は、徳倉さんが実際に行ってきた講座やワークショップの手法を通じて、講座全体の組み立て方を学ぶことでした。「イクメン講座」という言葉を使ってはいますが、実際に「イクメン」に関することは、途中のスライドで紹介された程度でガッツリではなく、講座のテーマや目的、対象等を決めて、グループワークで落とし込み、発表するという内容でした。

講座の内容

ここからは、僕が学んだことを箇条書きにして記録していきます。

受講対象をハッキリさせる。
  • ある程度対象を絞り込む。対象をはっきりさせる。⇒対象の絞り込みは、講師の選び方にも関わる。
  • 講師が一番やりにくい講座は、無料で行う「市民講座」「公開講座」。当日、どういう人が来るか分からない。
対象に合った内容・講師の選定
  • 受講層を確認しながら講師を選ぶ。
  • 講師依頼をする際に「どんな自己紹介をするか」を聞くと面白いかも。自己紹介の仕方によって、どんな形で講演を行うか、判断できる要素となり得る場合がある。
  • 一番大事なのは、参加者に「当事者意識」を持っていただくこと。どういう人たちに、どう食いつかせるような話題を提供できるか。当事者目線をキープできるか。
  • 例えば「イクメン講座」の場合。参加する男性は、奥さん(パートナー)から「行ってきて」と言われて参加しに来る人が多い。そこで、男性講師が実体験をもとに話す「当事者」であることで、共感を得られる。一方、講師が女性だと「奥さんに言われているみたい」といった反発心が生まれてしまう。
黄金律は60分+30分
  • 受講者は聞いているばかりだと退屈になってくる。変化がないと飽きてくる。
  • 受講者が発信できる時間があると、満足度が高くなる。それは、「あいさつ」「座談会」など簡単なものでも良い。
  • 講義は60分くらい。あとのワークショップなどの受講者が動く部分は30分くらい。
「イクメン」を使わずに表現する。
  • 新しい層を取り込むためには、今まで使っていた言葉を“使わない”。
  • 例えば「イクメン講座」が内容であっても、「新しい働き方を考える」というタイトルを付ける。こうすることで、ビジネスマン等の“イクメン”ではない層が参加する。ワークライフバランスの話題にイクメンの話題を絡めるので、満足度は高くなる。
  • タイトルは、必ず主催者が考えること。講座の方向性は主催者が打ち出すこと。
  • ダメな講座になりがちなのは、「○○さんには、××で行った講座のようなことをお話いただければと思います。タイトルも、そちらで適当に決めてください」。これでは、主催者側が講師に何を期待しているのかまったく分からない。
受講者の満足度を高めるポイント
  • 当事者意識、開催時間帯、託児の有無(イクメンという観点から)、気付きなのか実用的なのか
  • つまらない講師は「どこへ行っても同じことばかり言う」人。そういう場合、大体が「○○さんの書いた本は面白いのに講演は面白くない」などといった印象。参加者に当事者意識を持っていただくということができていない。
  • 聞いている人を見ながら、当事者意識を持ってもらえるかどうかを気にすることが大事。
  • ファザーリング・ジャパンの講座では、「気付き8割」「実用2割」を意識している。

ここまでが、「講座のつくりかた」についての内容でした。あとは、イクメンに関する講義がスライドと同時に行われ、その説明がなされました。

後半はグループワークを行いました。実際に講座企画を作り、「テーマ」「タイトル」「内容」「受講者層」を自由に表現しよう、というものでした。「イクメン講座のつくりかた」ということで、ヒントキーワードには「イクメン」に関する言葉が羅列されていましたが、実際には講座をつくる際に骨格となることを、このグループワークで学びました。

グループワークの発表の際には、「連続講座のメリット」について徳倉さんからお話がありました。

連続講座のメリット(開催例:全8回、2週間に一度、毎週水曜日)
  • 「2週間に一度」というサイクルは、2週間というスパンで早く仕事を切り上げるための努力とリズムを作ってもらうため。
  • 講座の開始時間は18:30~20:30と少し早めに設定する。
  • 20:30に終わった後、一時間程度を「放課後」と位置付け参加者同士の交流の場を設ける。
  • 大人の男性が友達をつくる方法は「短い時間で数多く会う」こと。⇒放課後の一時間が活きてくる。
  • 連続講座と放課後を通じて、受講者同士のネットワークが作られていく。最終的にはFacebook等のSNSでグループをつくり、情報交換も行えるようにする。⇒「パパ友の輪」を広げる。
  • 「パパ友の輪」がネットワーク化され地域が強くなる。防犯・防災意識が高まるなどの効果が出始め、ネットワークが「地域の資産」へとつながっていく。

連続講座の一番のメリットは、「受講者同士のネットワークをつくる」ということでした。僕も何度か連続講座を受けたことがありますが、確かに、そのときの受講者とはFacebook等でつながり、今でも交流を持っている人もいます。こういったことを学ぶことができたのも、今回の大きな収穫の一つでした。

今回の講座は「イクメン」に興味がある…というよりも、「イクメン」というテーマを踏まえながら講座の組み立て方を学ぶもので、もっと多くのNPOや中間支援団体の職員が参加したら良かったのに…と感じました。もちろん、そう思うだけ、この「イクメン講座のつくりかた」の内容は素晴らしいものでした。市民活動団体を対象とした講座のつくりかたにも、十分応用できる内容だったと思います。思えば、こういう「講座のつくりかた」みたいな研修は受けたことがなかったですね。ひょっとしたら、需要があるかもしれませんね。

「講座のつくりかた」の一方で、「イクメン」についてもっと掘り下げて聞きたかったな、という感もありますが、それはまた別の機会に(独身ですけど)。個人的に引っ掛かったキーワードは、「よい父親ではなく、笑っている父親になろう!」。これは、ファザーリング・ジャパンのミッションでもありますね。

徳倉さん、貴重なお話をありがとうございました。また、お会いできる機会を楽しみにしています!

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