企業には中間支援組織をもっと活用してほしい

イオンショップ

昨日、名古屋で開催されたフューチャーセッションに参加していたある方から、「社内の硬直化した意識を変えたい。その一つの方法として、地域への社会貢献活動の促進を考えている。NPOと協働した社会貢献活動や、地域に貢献できる新しい商品やサービスを提供したいとも考えるが、どこに相談したら良いのか分からない」という相談がありました。

三重にある既存の事例の一つとして、昨年にNPO法人Mブリッジが行った「ビジネスアイデアワークショップ」などをお伝えした上で、地域の中間支援組織(名古屋市市民活動推進センター)に相談すると良いかも…と紹介をしました。

その後、今日に至るまでにいろいろ考えたのですが、もし僕が相談者と同じ立場で、NPO等と一緒になにかをやりたいと思ったときに、どこに相談するだろうか…と考えました。まず最初に浮かんだのは、行政でした。地元の市役所です。根拠は、市役所なら何かを知っているんじゃないか、確実に応えてくれるんじゃないか、という確実性と期待感からです。

一方で悲しいかな、中間支援組織とは思いませんでした。この企業の方もそうだったんですが、おそらく普通に企業にお勤めの方は「中間支援組織」の存在を知らないと思うんです。NPOですら、地域にまだきちんと浸透しているというわけではない、という課題が残っているのに、ましてや「中間支援ってなに?中間?支援?」という感じだと思います。

だから、まず行政に相談してNPOを紹介してもらえないかな…みたいな流れだと思うんです。名古屋市のような公設公営のところなら、まだ分かりやすいと思いますが、大体は、行政の市民活動担当課から民間の中間支援組織を紹介されます。紹介された企業は「あ、そういうところがあるんだ」と初めて思うわけです。

そこで、ようやく企業と中間支援組織がつながるわけですが、そこから、企業が望むパートナーとしてNPOをつなぐことができるかどうかは中間支援組織の力量が試されます。地域のNPOと、どれだけのつながりがあるか。大小問わず、どれだけ地域のNPOのことを知っているか…が問われます。企業のニーズに対して、「ここのNPOなら応えてくれるかも」というデータを、少なくとも一週間以内に複数提案できるかどうか、です。

以前参加した、企業とNPOをつなぐためのセミナーか何かで誰かが言っていたんですが(うろ覚えすぎ)、「我々企業がNPOと何かをやろうと思っても、そのNPOが本当に信頼できるかどうか分からない。法人であっても、所轄庁に提出されている書類だけを見ても判断できない。我々のようなNPOについて明るくないセクターが中間支援組織に相談をしたときに、“このNPOなら信頼できますよ”というお墨付きが、中間支援組織からあると協働しやすいのだが」という意見を聞きました。協働の仕組みを書いた、「協働のためのガイドブック」みたいなものはいくつか発行されていますが、企業の側としては、ピンポイントで団体を紹介して欲しいんですね。具体的な団体の名前を挙げて欲しいわけです。確かにな…という気持ちで聞いていました。

結局何が言いたいかと言うと、企業にはもっと中間支援組織の存在を知っていただきたいし、中間支援組織の機能を活用していただきたい、ということです。現在の三重県内の中間支援組織が、企業からのニーズにどこまで応えているかは把握していませんが、企業と中間支援組織がどんどん関わるような環境があれば、企業はNPOの文化を、中間支援組織(NPO)は企業の文化を、お互い理解することができます。もちろん、中間支援組織を通じて地域のNPOのことも知ることができる。人事交流なんかがあると、なお良いですね。「NPOで働いていた人が企業へ出向」もしくは、その逆とか。もちろん現役世代(20〜50代)の話ですが。

そうした事例が増えることで、「(企業が)NPOと一緒になにかをやりたいけど、どこに行って何を相談したらいいか分からない」といったことは、解消されてくるんじゃないかな、と感じます。中間支援団体が窓口になって、的確にアドバイスできる。そういう関係が作れるんじゃないでしょうか。

現在の地域課題は原因が複雑に絡み過ぎていて、単独のセクターだけでは解決が難しい時代だと思います。今までは、行政セクターや企業セクターで解決できていたものが手に負えなくなり、行政や企業の枠から外れた細かな、かつ重大な課題をNPO等が解決に向けて動いていますが、NPOも単独で継続的に活動していくことが難しいという現実があります。

NPO単独では嵩むコストが払えず、行政が補助金等でバックアップする仕組みになっています。NPOからはよく「行政がバックアップしてくれない」という声を聞きますが、バックアップの言葉の意味として大きいものは、ほとんどが制度や資金面に対することだと思います。

こうした状況の中で、NPOと企業との関わりは、資金面や人材面だけではなく地域にとって、これから重要になってくると思います。「NPOとなにかやりたい」という企業のニーズと背景を直接知ることができたため、そう強く感じることができました。

僕は中間支援組織に勤める人間ですが、企業とNPOをどう結びつけていくことができるか。同じ場に立つ機会を増やすには、どうすればいいのか…そうしたことも、更に掘り下げて考えていきたいと思います。

広告を非表示にする