2012.11.8 ビジネスアイデア創出ワークショップ 地域で愛される『サービス』を考えるワークショップ

イオンショップ

2013.9.14 フューチャーセンターなごやのセッションに参加したんですが、そのときに、ある企業の方から「行政やNPOを巻き込んで、なにかサービスを生み出す方法はないだろうか」と相談されたので、昨年参加した「ビジネスアイデア創出ワークショップ」のことを伝えたところ、とても喜んでくださいました。

あらためて、「うちのブログで感想を書いていますので、また見てやってください」とお伝えしようと思ったら、そのときの様子をブログに書いていなかったので、慌てて今日の更新分として投稿します。よくよく考えたら、仕事の研修の一環で参加したので、報告書止りになってたんだっけ…。というわけで、参考になるかどうか分かりませんが、こちらにも感想を残します。

ビジネスアイデア創出ワークショップ 地域で愛される『サービス』を考えるワークショップ

講師は、岩田直樹さん(アトリエ・カプリス代表)。デザイナー、神戸芸術工科大学神戸親和女子大学非常勤講師。ブランドデザインを軸に、企業、まちづくり福祉などの広い分野で、様々なプロジェクトや、ワークショップなどを実践し、「ことのデザイン」を推進しています。

このワークショップの目的は、地域の課題に対して企業とNPO、行政が同じテーブルに着いて、地域にとって必要とされるサービスを一緒に考える、というものです。企業とNPOと行政という、滅多に同じ場所に介さないセクターが、同じ場所で地域の課題についてワークショップで語り合う。これって、結構すごいことじゃないですか?

参加者は約40名。企業、商工団体、NPO法人、近隣市町及び県職員が参加していました。企業や商工団体からは、商店街の組合長や商工会議所の職員、地元企業の社員、楽器店の社長など、多様な業種の方が参加していました。

なお、この事業松阪市商工会議所と、NPO法人Mブリッジによる共催事業です。

地域課題の可視化から

会場内には、「地域の課題」が貼り出されたボードと、机とイスが用意されていました。

「地域の課題」として、(1)医療・介護・福祉(2)コミュニティ(3)地域資源まちづくり(4)ものづくり・地域経済(5)家庭・子ども・結婚・出産(6)一次産業(農業・林業)の6つの課題が用意されていました。


「自分の武器」を発掘する

参加者は自分が興味のある課題のテーブルに着き、まず「課題に対して自分ができること」を、用意された赤い付箋に書き出しました。具体的には、課題に対して直接的に自分ができることではなく、「自分が自覚している強み」を書きました。(例:「人とのコミュニケーションが得意」「人同士(組織同士)をつなぐことができる」「国家資格を持っている」「○○の経験が長い」「自宅で農作物を作っている」「タイピングが早い」など)

参加者は、自分が書き出した「強み」の付箋を「活かせる」と思う地域課題のテーブルに置いていきました。(例:「看護師資格を所持」⇒「医療・介護・福祉」のテーブルに置く)

地域課題から「ニーズ」を考える

「自分が自覚している強み」を書き出したあとに、最初に着いた課題のテーブルから移動することが可能になったので、最初「医療・介護・福祉」の席に座っていたのを、「コミュニティ」に移動しました。この時間では、「地域の課題」に対する「ニーズ」を青い付箋に、そして「地域の課題」に結びつく「原因」を紫の付箋に書き出した。

例えば、コミュニティで挙がった「ニーズ」と「原因」は…

ニーズ
買物をする場所が遠い、世代間交流の場がない、現役世代のコミュニティ参画、地域医療、自治会に入りたくない、子どもを気軽に預けることができる場所、など
原因
バス路線の廃止、現役世代が地域と関わる時間がない、若者が仕事を求めて都会へ出る、やっぱり役所頼み、昔ながらの声の大きい人が幅をきかせている、子育て世代の交流の場が少ない、など
「自分の武器」と「ニーズ」のマッチング

それぞれのテーブルに置かれた「強み」と、それぞれのテーブルで話し合った地域の課題に対する「ニーズ」と「原因」を結びつけて「ビジネスアイデア」を出し合いました。

イデア出しのためのシートには、(1)誰に?(2)どんなサービスを?(3)どんなスキルで?、の3つが書かれており、「地域の課題」の中で対象を明確化し、現状の「ニーズ」と「原因」からサービスを作り出し、そのサービスを参加者の「強み」を活かして具体化させる…という作業を行いました。

「コミュニティ」では、「世代間交流の場がない」ことや、自分たちの町のことを知ってもらうために、地域のことが分かる情報媒体を作る、というビジネスアイデアが出ました。前述の(1)〜(3)の条件に当てはめると…

誰に? コミュニティ内で暮らすさまざまな年代の住民
どんなサービス 地域の情報(世代間交流ができるような情報)を提供するサービス(WEB、紙)
どんなスキル? ITスキル、デザイナーとの人脈、人(組織)と人(組織)をつなげるスキル、など

ということになります。

この後は、参加者が自由にテーブルを移動して、『「自分の武器」と「ニーズ」「原因」のマッチング』の作業を繰り返した。僕は「コミュニティ」⇒「地域資源まちづくり」⇒「家庭・子ども・結婚・出産」の順に移動して、マッチング作業を行いました。

地域資源まちづくり」では、三重県多気多気町と連動した「自転車を使ったまちづくり」のアイデアで盛り上がり、松阪市のロードマップを作ろう、というアイデアが出ました。

誰に? (県外・県内の)自転車愛好家
どんなサービス 自転車用ロードマップ、アプリを使って見れるマップソフト
どんなスキル? 松阪の観光の知識、組織と組織をつなげる力、ITスキル、など

「家庭・子ども・結婚・出産」では、子育て世代のお母さんが、地域と世代間交流をするというアイデアが出ました。コンセプトは、地元の農家と協働し、野菜を使った料理教室を行うことで、農家の高齢者と子育て世代の交流を図る、というもの。また、耕作放棄地を使って、子どもと一緒に「野菜を作る」ところから始め、収穫を体験させることで、「普段食べているものがどのように作られるのか」を知ることにもつながるというもの。

誰に? (育児ストレスや悩みを抱えている)子育て世代のお母さん
どんなサービス? 料理教室(作るところから食べるところまで)、英会話などの専門教室
どんなスキル? 農業経験者(農家)、保育士、看護師、料理家


交流サロン(アイデアを深める)

この時間では、各テーブルで出たビジネスアイデアに対して、「実現するなら関わりたい」と思ったものに自分の名刺を置いていきました。また、参加者同士での名刺交換や、意見交換などを行い、交流を深めました。

いくつかの「地域の課題」に対するビジネスアイデアを導き出すまでのプロセスが楽しく、またいろいろと考えさせられました。

最初に行った「自分の強み」を発掘する作業では、「ビジネス」を前提としたスキルではなく、「自分が自分で感じている強み」を次々と挙げていくので、とてもリラックスして考えることができた。また、ビジネスを解決するためのスキル出しというよりも、「自分に何ができるか」という内面を振り返るきっかけにもつながり、自分自身のスキルの棚卸にもつながったように思います。

参加者は多様な主体の方たちだったので、それぞれの立場から、地域の課題に対しての意見や考え方を伺うことができたのも良かった。また、一つの地域課題だけではなく、複数の地域課題に対してアイデアを出すことができたので、幅広い視点を養うことができたように思います。

参加者が持つ数多くの「強み」と、自分たちが地域の課題に対して考えた「ニーズ」「原因」を結びつけることで、参加者全員が、自分たちでビジネスアイデアをきちんと考えることができる仕組みを作り上げていた、このワークショップの構成も素晴らしかったと思います。自分で地域の課題をきちんと考え、それをビジネスアイデアにまで昇華させるときに、参加者が揚々としてアイデアを出していく一体感は、ワークショップが上手く行っていた証拠ではないでしょうか。

もし、多様な主体の参加者が一体となって生みだしたこれらのビジネスアイデアが、市民の支持を得て、プロジェクトとして本当に動き出すことになったとしたら、とても素敵なことだと思いました。