必殺仕業人 15話「あんたこの連れ合いどう思う」

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昨日から三連休だが、何かと時間に追われながらの日々。そうした中で、久しぶりに時代劇を見ようと、『必殺仕業人』を視聴した。

必殺仕業人』について簡単に説明すると、時代劇シリーズである「必殺シリーズ」の第7弾にあたる作品。藤田まこと演じる「中村主水」が、第6弾の『必殺仕置屋稼業』の最終回で仲間の「市松」を逃がすために行った“ヘマ”が原因で、定町廻り同心から牢屋同心に格下げされたところから始まる作品。全体的に荒涼とした雰囲気が漂う作品だが、個人的には10話あたりを境目に、少しだけだが明るさが加わってきて、人間ドラマの部分に深みが増してくるような、そんな印象を受ける。

今日はそんな『必殺仕業人』の中から、15話「あんたこの連れ合いどう思う」をチョイスした。仕業人には他に良質な作品が多いのだが、僕はあえてこの作品を選んだ。ゲストヒロインである「おふく」を演じるのは市原悦子。そして、その市原悦子が心底惚れている小悪党に、悪役俳優として名高い菅貫太郎という豪華な配役。ちなみに、この作品は中村敦夫が主役であるが、中村敦夫市原悦子菅貫太郎鶴田忍(仕業人レギュラー)の4人は、1971年に俳優座を退団したメンバーでもある。

菅貫太郎は、どちらかと言うと「ワルの奥に控える大ワル」といったメイン悪役のイメージだが、この作品ではそうではなく、口で上手いことを言って市原悦子を利用する調子の良い小悪党・岩松を演じている。珍しく被害者役なのだ。

この話の悪人は、大店・大黒屋の主夫婦の離縁問題を仕切る公事師・早瀬。大黒屋の妻・おはま、その連れ子の吉之助と結託して大店の乗っ取りを企むわけだが、その早瀬の口車と金に釣られた岩松が、おふくを大黒屋の主に差し出してしまう。早瀬の狙いは、大黒屋の主とおふくが密会したことを逆手にとって、不義密通で死罪にしてしまおうという魂胆。そのことに気付いた岩松が、おふくを助けに大黒屋へと駆けつけるが、吉之助に刺されてしまう。岩松は瀕死の重傷を負いながらも、おふくに手を出す大黒屋を刺し殺したのだが、店の前でついに事切れてしまうのだった(この後の市原悦子の絶叫の演技は必見)。

中盤までは割と明るい雰囲気だし、菅貫太郎のいつものオーバーアクションを堪能することができるのだが、岩松が早瀬の企みに気付きだしてから、急にトーンが落ちてくる。岩松は本当にどうしようもない男で、おふくが大道芸やいかがわしい盛り場で必死になって稼いだお金をすべて博打に投じてしまうようなダメ男だが、確かにおふくを愛していたし、おふくはそれ以上に岩松を愛していた。それが、今回の悪事をきっかけに岩松と死別し、とうとう一人ぼっちになってしまう。ラストで、おふくが一人歌う場面は涙を誘うのだ。

今まで尽くし続けてきたパートナーが、突然いなくなってしまって一人ぼっちになったら、一体どうなってしまうだろう。そう思うと、胸が締め付けられるような辛さを感じる。作品が表現する悲しみに加えて、自分自身の中にいる「大切な人」がいなくなってしまったことを考えた時の悲しみが合わさって、やるせない気持ちになる。

だからこそ、僕はこの「連れ合いどう思う」が心に残る作品になっているのかもしれない。

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