(訃報)遠藤太津朗さん死去

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俳優の遠藤太津朗氏死去
http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2012071000436

今日の午前、午後のワイドショーでは、9日に亡くなった山田五十鈴の告別式の様子が流れていた。昭和から平成にかけてを代表する大女優が亡くなったのだから、その模様は各ワイドショーで放送されて当然ではあるが、山田五十鈴が亡くなった2日前の7日午前に、同じく昭和から平成にかけてを代表する俳優が亡くなった。悪役俳優で名を馳せた遠藤太津朗である。

遠藤太津朗の代表作といえば、間違いなく『銭形平次大川橋蔵版)』だろう。1966(昭和41)年から1984(昭和59)年の間、話数にして888回を記録した、ギネスブックにも載る日本を代表する時代劇だが、遠藤太津朗は53話から「三輪の万七」という銭形平次のライバル役として登場し、そのまま888回目の最終回を迎えるまで演じ続けた*1

銭形平次』における「三輪の万七」役は、風間杜夫版では左とん平が、北大路欣也版では伊東四朗が演じているが、「遠藤三輪」に比べると、やはり見劣りしてしまう。それほどまでの「ハマり役」だったのだ。

「三輪の万七」や、『京都殺人案内』の「秋山警視」といった強面に似合わないちょっとコミカルで憎めないキャラで有名ではあるが、強面を活かした悪役ももちろん少なくはない。むしろそちらのほうが有名で、菅貫太郎田口計金田龍之介らに並ぶ、日本を代表する悪役俳優の一人でもある。

僕は『必殺シリーズ』が好きなので、その方向から話をすると、遠藤太津朗は必殺シリーズ(松竹京都映画)に大変縁のある俳優で、第一作目の『必殺仕掛人』から悪役として出演している。『必殺仕置人』では念仏の鉄の過去をエピソードにした「仏の首にナワかけろ」、『必殺仕置屋稼業』では、同じく印玄の過去をエピソードとした「一筆啓上過去が見えた」など、登場人物の過去を掘り下げた、作品のキーとなる話で悪役を演じている。

また、『新必殺仕事人』で2回ゲスト出演しており、一回目の「主水安心する」では有川博扮する南町同心と組む極悪人を演じ、二回目の「主水ケチに感心する」では、上方弁を話すケチな老人・吉兵衛(ケチべえ)=善人を演じるなど、彼の持ち味である硬軟を使い分けた演技で楽しませてくれた。

必殺仕事人V激闘編』「顔と態度で損した親分の一生」では、優男の河原崎健三が極悪人で、強面の遠藤が善人という設定で作劇がなされた。そして極め付けなのは、『必殺仕事人V旋風編』。ついに必殺シリーズでレギュラー入りを果たすのだが、それは西順之助を追い回すオカマ親父の役だったという……。必殺シリーズだけでも、その演技力の幅広さを十分に実感できた。

新必殺仕事人』から『必殺仕事人V激闘編』までゲスト出演はないのだが、その間必殺シリーズ(主水シリーズ)は舞台でも活躍しており、舞台版必殺シリーズの悪役で活躍している。『必殺シリーズ』以外で印象に残った悪役といえば、『おしどり右京捕物車』の第一話で、神谷右京(中村敦夫)を下半身不随へと追い込んだ「野洲萬蔵」だろうか。

近年、時代劇がテレビから消え、こうした魅力ある悪役たちをドラマなどでお目にかかる機会がめっきり減ってしまった。同時期に活躍した悪役俳優である中尾彬綿引勝彦は、現在ではバラエティー番組やCMでも見かけるけれども、今井健二や大木実、名和宏などは今頃どうされているのだろう。特別検索などはしていないのだが、舞台などで元気に活躍されていると良いのだけれども...。

遠藤太津朗氏のご冥福をお祈り申し上げます。

*1:1話から52話までは藤尾純が万七を演じている。