伊勢河崎のまちなみを歩いた雑感

イオンショップ

昔から河崎はよく散歩に出かけたりして馴染みのある場所だったけど、今回は少し目線を変えて歩いてきた。

観光協会に勤めていたころから何度も出かけ、商人館のスタッフにもお話を伺ったりしていたのだが、それももう6年くらい前の話。現在はNPOに勤務していることもあり、商人館見学のどさくさに紛れて、伊勢河崎商人館の管理・運営を行っている「NPO法人 伊勢河崎まちづくり衆」に、ミッションとして取り組むまちづくりや解決すべき課題、そして将来の展望といったことを少し伺いたかったのだが、商人館を訪れたときには、スタッフが小学生の子どもたちに河崎の歴史を伝えているところだったし、時間もそんなに無くお話を伺えそうになかったので、今回は止めておくことにした。まあ、アポなしだったしね。

表層的な部分として見えてくるのは、商人館の管理・運営及び見学者からの拝観料や、「弐の蔵」に出店している出店者から場所代と売上の一部を得ることで収入にしていること。「商人館カフェ」の運営もそうかな?そして、川の駅・河崎の管理・運営を任されていること。構造的には、河崎のまちなみに関する整備や行政側への提言、住民との協議なども行っているのだろうけど、このあたりの詳細はよく分からない。ホームページ上からの情報を辿るのが精いっぱいで、やはりこれは、伊勢河崎まちづくり衆のスタッフに直接聞いてみるしかないと思う。

http://www.e-net.or.jp/user/machisyu/machizukuri.html

ここの「河崎のまちづくりの経過」を読むと、結構興味深いことが書かれている。今日までに、行政との対立も何度かあったんだろうな……と推察できるが、まちづくりの拠点を設け、土蔵を改築して地域としてのビジネスモデルを作ったり、勢田川という資源を活用し、市内の川沿い地域のNPOとの連携を図ったりなど、年々広がっている活動内容からして、面白い話や役立つ話を聞けそうな雰囲気がプンプン漂っている。

河崎は、例えば関宿のように、街道や地域全体が統一した景観でまとめられているというわけではない。商人館の近くには近代建築があったり、マンションなんかがあったりする。土蔵も、昔のように立ち並んでいるわけではなく、ポツンポツンと点在している感じで、散策だけが目的だと少し物足りない。

でも、人は結構いる。地元の人間もいるが、観光客も多い。夏休みということもあるが、家族連れから老若男女まで、年齢を問わず人がいる。これは僕なりの答えだが、「河崎のまちなみ」に惹かれて来るよりも、その周辺にある「土蔵を改築した居酒屋」や「喫茶店」などと言った、商業施設の話題性に惹かれて来ているからではないだろうか。

今回僕たちがお邪魔した「町家とうふ」もそうだし、喫茶店「河崎蔵」、居酒屋「虎丸」、ワインバー「珠屋」も雑誌やテレビに取り上げられている話題性に富んだお店だ。味も雰囲気も実際に良いから、人だって集まってくる。集まってきた人は「土蔵を改築したお店」に興味を抱くだろうし、「へ〜、他にもいろいろあるんだ〜」みたいな感じになって、川沿いに少し散策もしたくなるだろう。

河崎は、周囲の商業施設の経営努力と、地域づくりが上手く噛み合っているんじゃないかな〜って、僕なりに少し考えてみたんだけどね。もちろん、土蔵を保全再生した取り組みが活きているから、方向性としては間違いじゃない。第一、「かつて伊勢の台所として栄えた河崎のまちなみを歩きましょう」ってだけじゃ、余程興味のある人じゃない限り、あまり満足しないと思うんだ。昔、河崎ですれ違った観光客のおばちゃんが「何もないな。ただ歩くだけや」って言いながら歩いていたのを覚えているけど、やっぱりそうなっちゃう。

でも、洒落た空間で美味しいものを食べることができたり、ノスタルジックな雰囲気に浸ることができる場所があるという付加価値があれば、見方は絶対に変わってくる。むしろ、こういう場所の場合、付加価値のほうが大きくて良いと思うんだ。このあたりの仕組みについても、伊勢河崎まちづくり衆の人に聞いてみたいな、って少し思っています。

NPOで働いていることで、観光協会時代には見えてこなかった疑問や課題が浮かんでくるようになった。特に、同じNPOが実施しているまちづくりについては、とても興味を惹かれるようになった。また、今度どこかへ行ったとき、もしNPOが関わっているまちづくりに遭遇したら、少しお話を聞かせていただきたいな、と思っています。そして、伊勢河崎まちづくり衆には、いつかインタビューを敢行するぞ!(多分、アポなしで)